朝は早起きして、リグーリア海岸の5つの漁村からなる集落チンクエ・テッレへ
断崖絶壁のなか育まれるこの土地の葡萄と人の営み
住むことを目的に削られた岩盤を利用して、土壌と石垣をつくり葡萄を植える
何千キロにもわたり海沿いにひろがる景色は圧巻でした
ワイン農家と漁業、観光業として生計を成り立たせる人々の生活では
シーズンにもなると毎日世界中から人が集まりお金も動き、そんな場所には決まって大切なものが忘れ去れてしまう
近隣の葡萄農家でも今では自然な造りとは逆に、ビジネスでありふれている
そんななか快く出迎えてくれたハイディ(迎えに来てくれるまでずっと女性だと思っていた)
どのワインもほどよい硬さの奥に彼の誠実さと優しさに包まれた味わいが印象的でした(ちなみにビジュアルイメージもなんとなく思いついていた)
急峻な畑へと下りながら、葡萄だけでなく植えている野菜やハーブにお花まで楽しそうに紹介してくれる可愛らしい崖の上のお野菜たち
セラーでは息子と仕込んだ初めてのワインや、アンフォラ(陶器)やpero(梨の木)ciliegio(桜)など
毎年少しずつ自分なりの哲学を加えて、この土地に流れ続けている時間を繋いでいく使命
イカつい外見とは見合わずにとっても丁寧に、時間を割いて説明してくれる姿
素敵な景色で古き良き建物に溢れていて、毎日が美しい夕日と新鮮な海の幸
それらすべては彼のような人がいることで、僕らはこの土地の命とコネクトする
“リオマッジョーレ”、とても心に残る町でした